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リレーss置き場

共同ssをかくブログです。

Aqours VS 虹ヶ咲 途中下車バトル(八王子~糸魚川) 虹ヶ咲編 Part2

12:39 甲府駅

「ご乗車有難うございましたー。終点甲府、甲府です。どなた様も、お忘れ物の無いようお気を付けてお降りください」

愛「あー、やっと甲府かぁー」

かすみ「もう電車に乗るの飽きちゃいましたよ」

果林「飽きるのは早いわよ。まだ最初のチェックポイントなんだから」

かすみ「うわわわわわわわん!!もういやだーーーー!!」

しずく「もう、わがまま言わないの」

エマ「お腹すいたー」

歩夢「そうだね、ちょうどお昼時だし。でもまずは、チェックポイントの課題をこなさないと」

あなた「課題のメール来てるみたい。えっと……クイズに答えてスタンプをゲット?」

甲府駅周辺のスポットでスタンプを集めよう!
各スポットに一つずつおいてあるスタンプをぜんぶ集めたら課題クリア!
・舞鶴城公園
・藤村記念館
・大村智記念学術館
・山梨中銀金融資料館

果林「うわぁ、なかなか面倒そうな課題ね」

エマ「お題の名前がクイズに答えて、ってなってるけど、どういうことなのかな?」

彼方「たぶん、クイズに正解できないとスタンプが押せないんじゃない?」

愛「とにかく行ってみるしかないね」

璃奈「四ヶ所順番に回ってたら大変だから、手分けした方が良いと思う」

あなた「地図で見てみたんだけど、舞鶴城公園は駅の目の前に見えてるあれのことだし、藤村記念館も駅のすぐ近くみたい。逆に、大村記念館と金融資料館は15分くらい歩かないと着かないみたいだから、三チームに分けるのがいいんじゃないかな?」

歩夢「駅に近い舞鶴城公園と藤村記念館の二か所を回るチーム、それから金融資料館に行くチーム、大村記念館に行くチーム、っていう風にするんだね?」

しずく「その分け方で良いと思います」

せつ菜「分け方はユニット別で良いでしょうか?二人のユニットにあなたが入るってことで」

璃奈「それでいいと思う」

DiverDiva(果林、愛)+あなた → 舞鶴城公園、藤村記念館
A・ZU・NA(歩夢、しずく、せつ菜) → 大村智記念学術館
QU4RTZ(かすみ、彼方、エマ、璃奈) → 山梨中銀金融資料館

   ・
   ・
   ・

舞鶴城公園

愛「昔の人、ってどういう生活してたんだろう?お城で暮らす、ってどういう感じなんだろうねー?」

果林「どうしたの、急に?」

愛「いやぁ、こういう場所に来るとつい気にならない?ここには天守閣は残ってないけど、あれってやって来る敵を監視するためのものでしょ?お堀とか石垣も敵が城に入ってくるのを防ぐためのものだしさ。そうやって、ずっと敵を気にしながら暮らすってのがなんか想像つかないっていうかさー」

あなた「考えてみればそうだよね、息がつまりそう」

愛「ウチらからしたそうだけどさー、武将達にとってはそれが普通だったわけでしょ?なんかそれってすっごい不思議!」

果林「そういうのって考えて分かるものじゃないものね」

あなた「そうだね」

果林「あれ、愛は?」

愛「おーい、こっちこっちー!早く上って来てよー!」

果林「あなた、いつの間にそんなところに!?」

愛「すっごく良い眺めだよー!!」

あなた「待ってー、今行くからー!」

 ……

果林「おお!これは確かにいい眺めだわ」

あなた「ここって多分、昔天守閣があった場所だよね。思ったより高い位置にあるんだね」

果林「昔の人は、毎日こんな眺めの良いところで過ごしてたのね。羨ましいわ」

愛「お、これスタンプじゃない?」

果林「なんか箱に入ってるけど」

あなた「鍵がかかってるね」

愛「あれ、箱になんか書いてある。なるほど、この箱に書いてあるクイズに正解しないと鍵が開かない、と……」

果林「えっと、なんて書いてあるのかしら?……『舞鶴城(甲府城)は、武田氏の滅亡後に、豊臣秀吉の命を受けた浅野長政・幸長親子によって築城されました。では、滅亡した時の武田氏の当主の名前は?』……これ、二人は分かる?」

あなた「武田って言ったら信玄くらいしか思い浮かばないんだけど……」

愛「分かっちゃったなー、愛さん!」

あなた「すごい!さすがは愛さん!」

果林「見かけによらず頭良いものねー」

愛「見かけによらずとは何だ見かけによらずとは!?で、答えは――勝頼!」

カチャリ

果林「あ、鍵が開いたわ」

あなた「正解ってことだね!やっぱりすごいよ愛さん!」

愛「イエーイ!甲斐の国でSay 解、ってね!」

果林「そしてダジャレはいつも通り寒い」ボソッ

愛「ん?なんか言った?」

果林「なんでもないわ」

あなた「とにかく、これで舞鶴城のスタンプはゲットだね!」

愛「順調順調!ささ、次は藤村記念館、どんどん行くよー!」

大村智記念学術館

しずく「着いたみたいです。だいぶ歩きましたね」

せつ菜「バスを使うとポイントを消費してしまいますし、仕方ありません」

歩夢「ちょっと面白い形の建物だね。写真撮っとこう、っと」

しずく「一階が展示室、二階がホールになっているみたいですね」

せつ菜「展示室の方を回ってみましょう。きっとどこかにスタンプがあるはずです」

歩夢「大村博士はノーベル賞を取ったすごい人みたいだけど……、抗寄生虫薬の発見?」

せつ菜「『エバーメクチン』っていう、寄生虫に効く物質を生成する微生物を発見したんですね。その『エバーメクチン』から作られた『イベルメクチン』という薬が広く使われるようになったようです」

しずく「うう……理系の話はついていけません……」

歩夢「難しくて分からないことは多いけど、とにかくこの人のおかげで家畜を寄生虫から守ることができるようになったんだね」

しずく「化学の分野で活躍するばかりではなく、芸術にも感心のある人なんですね。集めた作品を展示するための美術館を作って、女子美術大学の理事長までやっていますし」

せつ菜「すごい人って、いろんなことをバランスよく出来るんですね。私も少しは見習わないと」

歩夢「せつ菜ちゃんはスクールアイドルに勉強に、十分頑張ってるよ」

せつ菜「いいえ、まだまだです。三船さんに生徒会長の座を明け渡したのが何よりの証拠ですよ」

歩夢「そうかなあ?私は、せつ菜ちゃんが生徒会長としてやってきたことも、選挙で訴えてきたこともとっても良かった、って思ってるよ」

しずく「私だって同じです。スクールアイドル同好会のメンバーはみんなそう思ってますよ」

せつ菜「あははっ、なんだか励まされちゃいました」

 ……

歩夢「こっちは水晶の展示スペースみたい」

しずく「こんなにたくさん……どれもキレイですね」

せつ菜「この大水晶っていうの、本当に大きい……1メートル近くあるじゃないですか!」

しずく「重さもすごいです。77.5kgもあるなんて!」

せつ菜「それだけ重いと、簡単には盗めそうにありません!」

歩夢「盗むって、あははっ。あ、あれじゃない?スタンプ!」

しずく「箱に入ってるみたいですね。鍵が掛かってます」

せつ菜「箱にクイズが書いてあるみたいですね。このクイズを解かないとスタンプが押せないということですか……」

しずく「どれどれ……、あ、これダメです。目が回る~~」

歩夢「しずくちゃんが見た瞬間にノックアウトされてるけどどういうこと!?」

せつ菜「うーん、『イベルメクチンの分子式を答えよ』ですか……。横に構造式の図が載ってます」

歩夢「これは……。私もちょっとこれはスキップしたいかなぁ?」

せつ菜「逃げるんですか?」ギリッ

歩夢「ひっ!?」

せつ菜「もちろん、一緒に考えてくれますよね?」ズイッ

歩夢「は、はひっ!」

せつ菜「とにかく、根気よく数えるしかありません」

歩夢「何も書いてない折れ点が炭素なんだよね」

せつ菜「炭素に繋がってる水素も図では省略されてるはずです」

歩夢「だから、折れ点一個につきCが1個とHが2個……」

せつ菜「他の枝が繋がってる場合はその枝の数だけHの数が減りますね。なので、折れ点から出てる線の数を4から引いた数だけHが付いてる、ってことになります」

しずく「あー、今日も空は青くてきれいだな~♪」

歩夢「-O-の部分は?」

せつ菜「エーテル結合なので、他に繋がってるものは無いはずですよ」

歩夢「えっと、線が1本しか出てない折れ点が10個、2本出てる折れ点が9個、3本出てる折れ点が21個、4本出てる折れ点が8個かな」

せつ菜「ということは、Cが10+9+21+8=48個、Hが10×3+9×2+21×1+8×0=69個ですね」

歩夢「ほかに、-O-が10個、=Oが1個、-OHが3か所、-Hが2か所だから、Oが14個とHを5個加えれば……」

せつ菜「Cは48個で変わらず、Hは74個、Oは14個ということですね」

歩夢「つまり、正解はC48H74O14!」

カチャリ

せつ菜「やった!開いた!」

歩夢「あー、良かったよぉ~!」

せつ菜「大変でしたね……」

しずく「お力になれず申し訳ありませんでした……」

歩夢「いいんだよ。みんな苦手なことはあるんだし、お互いカバーしていこう?」

しずく「そう言っていただけると助かります……」

せつ菜「何はともあれ、これでスタンプゲットです!」

山梨中銀金融資料館

かすみ「もー、まだ着かないのー?」

璃奈「けっこう遠いんだね」

エマ「もう少しで着くと思うんだけど……」

彼方「あ、あれじゃない?」

かすみ「見つけたんですか彼方先輩?だったら早く行きましょう!」

 ……

エマ「見て見てー、昔のお金がいっぱい置いてあるよ!」

彼方「この紙幣、第十国立銀行発行だって。さっき山梨中央銀行の歴史を見たんだけど、この銀行はもともと第十国立銀行だった、って書いてあった。昔は、ここみたいな町中の銀行でも紙幣を作ってたってことなんだね」

エマ「そんなにいろんな銀行でお金を作ったら、インフレになったりしないのかな?」

かすみ「お金を好きなだけ印刷できるなんて……この時代に生きてたら、かすみんゼッタイ銀行員になってた!」

璃奈「残念ながら好きなだけ紙幣が作れたわけではないみたい。資本金の80%までだって」

かすみ「なーんだ」

エマ「あ、あっちにある箱、スタンプじゃない?」

彼方「これかー、なんか鍵掛かってるね」

かすみ「鍵掛かってるんじゃスタンプ押せないじゃないですか!?」

璃奈「たぶん、クイズを解くと鍵が開くんだと思う」

エマ「なるほどー、だからクイズに答えて~、っていう課題だったんだね」

彼方「クイズ読んでみるね。……『甲州地域が発祥の、お金に関する『日本初』って何?』だって」

かすみ「ええ!?いきなりそんなこと言われたって分かるわけないじゃん!」

璃奈「きっとこの資料館の中で紹介されてる内容なんだと思う」

エマ「それならきっとあれだよ、貯蓄預金!さっき、山梨中央銀行が日本で初めてだ、って紹介を見たよ」

彼方「ああ、そういえばその紹介あったねー、じゃあきっとそれで正解……、あれ?でも鍵空かない」

エマ「あれ?合ってると思ったんだけどな~」

彼方「彼方ちゃんもそう思うんだけど……」

璃奈「もしかしたら、他にも正解があるのかも」

かすみ「ええっ、いくつも正解があるなんてズルくない!?」

エマ「うーん、気を取り直して他に無いか、もう一回資料館の中を回ってみようよ」

彼方「そうだねー」

かすみ「むー。こうなったら必ず正解を見つけてやるんだから!ゼッタイ見逃しちゃダメだよ、りな子!」

璃奈「うん、璃奈ちゃんボード『ファイト』」

 …………
 ………
 ……

彼方「答え見つかんないねー」

エマ「どうしよう?」

璃奈「璃奈ちゃんボード『シュン』」

かすみ「ぐぬぬ……こうなったらもう先輩にメッセージで聞く!うえええん、助けてせんぱぁい!」

13:45 甲府駅

愛「いやー、余裕のよっちゃんだったねー!」

あなた「お城でも、藤村記念館のクイズもカンタンに答えちゃうなんて。愛ちゃんはホントに物知りだね!」

愛「いやー、それほどでも――あったり?」

果林「あ、大村智記念学術館に行ってた組も戻ってきたみたいよ」

せつ菜「いま戻りましたっ!」

しずく「うう……カガクこわいよぅ……」

あなた「どうしたのしずくちゃん?」

歩夢「ちょっとね、出されたクイズにぐちゃぐちゃした化学式が出てきて、それでショック受けてるみたい……」

せつ菜「あれは私たちでもあまり見たくない類のものでしたからね」

果林「そんな恐ろしいものが出てきたの?」

歩夢「そうなんですよ。せつ菜ちゃんと二人で挑んで何とか正解はできたんですけど」

あなた「そうだったんだ、頑張ったね」

歩夢「ありがと。あなたに褒めてもらえるとすごく嬉しいな!」

愛「ところで、山梨中銀の資料館に行った子たちがまだ戻ってないけど?」

せつ菜「ちょっと遅いですね、何かあったのでしょうか?」

果林「クイズに苦戦してるのかしらね?」

あなた「あ、かすみちゃんからメッセージ来てる!」

かすみ『助けて下さい先輩~!クイズがぜんぜん分からないんですよぉ~』

かすみ『甲州地域が発祥の、お金に関する『日本初』って何?――ていうやつなんですけど~』

あなた「ってことらしい、誰か分かる人いる?」

歩夢「うーん、なんだろう?」

愛「愛さんもちょっと分かんないなぁ」

果林「愛が分からないんじゃお手上げじゃない」

しずく「待ってください。それ、どこかで聞いたことがあるような……もう少しで思い出せそうなんですけど……」

せつ菜「そういえば、前に演劇部が講堂を借りるための申請用紙を生徒会室に持ってきたことがあって、その演劇が武田氏を舞台にしたものだったような気がするのですが」

しずく「あ!そう、それです!私が編入してくる前に先輩方が演じたものらしくて、台本を見せてもらったんですけど、その中にお金に関する話が出ていました。それにしても、そんな細かいところまで覚えているなんて、せつ菜さんはすごいですね!」

せつ菜「当然ですよ。生徒からの申請はどれも大切で、生徒会の方でしっかり把握しておかないといけないものですから。ですが、あいにく私は劇を見ていないんです。ですので、残念ながら内容までは……」

しずく「いいえ、その劇のことを思い出していただいただけで十分です。あの劇では……そうでした!金貨や銀貨って、もともとは金や銀の塊の重さを毎回測って取引してたんです。それが不便だから、武田氏は予め決まった重さの小判にして、小判に数字を書くようにしたんでした。その数字は、今でいう銭とか円みたいに単位が繰り上がっていくものなんです」

愛「つまり、この小判一枚で一両、とか、そういうやり方を初めてやったのが武田氏だった、ってこと?」

しずく「はい、記憶が確かであればですが……」

あなた「分かった。じゃあ、それをかすみちゃんたちにメッセージで教えるね」

あなた「……送ってみたけど、どうかなぁ……?」

あなた「あ、かすみちゃんからメッセージきた!」

かすみ『ありがとうございます!正解でしたよ先輩!』

あなた「だって!」

果林「でかしたわね、しずくちゃん!」

しずく「いえ、大村智記念学術館ではまったくお役に立てませんでしたし、それに、今のだってせつ菜さんが劇のことを思い出していなければ私も思い出せないままでした」

愛「だとしても、しずくがいなきゃアタシらまったく分かんなかったよ」

あなた「そういえば、だいぶお腹空いたね」

せつ菜「そういえば、まだお昼ご飯を食べていませんね」

愛「ちょっと遅めのお昼ご飯にはなっちゃうけど、山梨中銀組の4人が戻ってきたらほうとうでも食べに行こっか!」

果林「ほうとう、って何?」

愛「山梨の名物なんだよー。うどんに似てるんだけど、形が平べったいの」

しずく「これがまた美味しいんですよね」

果林「そうなの?それは楽しみだわ」

あなた「ご飯も大事だけど、次の電車決めとかないと!ここで食べてから間に合うのは……2時50分の電車かな?」

愛「そしたら、新府ってとこでは降りときたいね!500ポイントはデカイ!」

せつ菜「そうですね、後半に1000ポイントの駅が続くものの、列車の本数とか、名所を見つける難しさを考えると、ここで着実に稼いでおきたいです」

歩夢「まだまだ先は長いけど頑張ろうね!」

一同「「オー!」」

つづく
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