Aqoursのローカル路線バス乗り継ぎの旅 Guilty Kiss編 Part4
梨子「町田、横浜、町田……、いや横浜……」
鞠莉「ええい!もうずばっと決めちゃいましょ。くじ引きよくじ引き☆」
善子「ええ!?どこに向かうかっていう大事なことをくじで決めちゃっていいの!?」
鞠莉「細かいことは気にしないの!こういう時は思い切りが大事なのよ☆」
梨子「それはそうかも知れないけど……」
鞠莉「というわけで、レッツ善子チャンス!ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な~」
善子「ちょっと、なんでヨハネのお団子を使うのよ!?」
鞠莉「マリーの指が右の団子に止まったら町田、左の団子に止まったら横浜を目指す、良いわね?」
梨子「善子ちゃん、頑張って?私たちの運命は善子ちゃんにかかってるのよ」
善子「いやおかしいでしょ!」
鞠莉「じゃあ行くわよ~♪」
【左】 【右】
(Trap in Dice)
こ
い
の
わ
な
か
ら
(Trap in Night)
は
じ
ま
り
た
い
(Trap in Heart)
お
ど
り
な
が
ら
じ
ん
せ
い
の
ル
ー(ウ)
レ
ッ(ツ)
ト♪
鞠莉「左!ということは横浜ね☆」
善子「ええい、もうどうにでもなれよっ!」
鶴間駅東口 PM 6:17 → 横浜駅西口 PM 7:26 神奈川中央交通
梨子「やっと横浜かぁ……。もう真っ暗だね」
善子「いよいよここからが堕天使の時間……」
鞠莉「お腹空いたぁ~」
梨子「せっかくだから中華街で何か食べようか」
鞠莉「そうね、横浜といえば中華街よね」
善子「ちょっと、無視しないでよ!」
梨子「いや、堕天使の時間って言われても答えようがないから……」
善子「うっ、確かに……」
鞠莉「それにしても中華街はどこ?」キョロキョロ
梨子「誰かに聞いてみようか、すみませーん」
通りがかりの人「はい、なんでしょう?」
梨子「あのー、中華街ってどこにあるか分かりますか?」
通りがかりの人「中華街?でしたら、みなとみらい線で終点まで行けば良いですよ。あるいはJRで関内か石川町まで行ってそこから歩くという手もありますが」
梨子「えっと……つまり電車に乗らないと行けないってことですか?」
通りがかりの人「まあそうですね。ここから歩くのは厳しい距離ですし」
梨子「そんな……」ズーン
鞠莉「ガーン。横浜まで来たのに中華料理食べられないの!?」
善子「ふっ、またもヨハネに掛けられた呪いが発動してしまったようね」
梨子「善子ちゃん?」
善子「――ごめんなさい、あなた達まで私の不幸体質に巻き込んでしまって」シュン
梨子「なんだそんなこと?確かに中華街に行けないのは残念だけど、不幸だなんて大げさだよ。それにこれは善子ちゃんのせいじゃないでしょ?」
善子「でも……」
鞠莉「梨子の言う通りよ。善子はずいぶん気にしてるみたいだけど、不幸体質なんて気のせい気のせい☆」
善子「そうね……確かに私が気にしすぎていただけかも知れないわ」
鞠莉「お腹が空いてると考えることもネガティブになっちゃうわね。パパッとどっかでご飯を食べちゃいましょ♪」
PM 8:00 横浜駅
善子「この後はどうするの?」
梨子「とにかく北に向かわないとだね。ここからなら綱島か川崎のどっちかに向かうのが良いと思うんだけど」
善子「手っ取り早いのは綱島に行くやり方じゃないの?それだとここに書いてある東急東横線ってやつに沿って進めるじゃない」
梨子「私もそう思う。このまま渋谷まで行けそうだもんね」
鞠莉「Wait!ちょっとそれは安易じゃない?川崎市街に行けば確実にいろんなバスが走ってる。でも、綱島?とかいう微妙なトコロに行っても出てるバスの種類は限られてるんじゃない?その限られたバスの中に渋谷方面のバスがある可能性がどれだけあると思う?」
梨子「そう言われてみるとリスクはあるのかも……。でも、渋谷方面ならバスはあるんじゃない?」
鞠莉「それが案外そうでもないかも知れないわよ。電車で渋谷に行けるならわざわざバスを走らせて無いってことはない?」
善子「綱島がそんなに微妙な場所なのかは置いておいて……まあマリーの言うことも一理あるかもね」
鞠莉「善子もこう言ってるけど、梨子はどう?」
梨子「二人がそう言うなら川崎でも良いけれど……」
鞠莉「決定ね☆」
横浜駅前 PM 8:25 → 川崎駅西口 PM 9:07 横浜市営バス
鞠莉「ちょうど川崎行きがあって運が良かったわ」
梨子「そうだね。バス停に行ったら前のバスが丁度発車してっちゃったからツイてないなーって思ったけど、よく見ると鶴見行きだったから」
善子「間違えて乗らなくてむしろ正解だったわね」
鞠莉「ほら、善子の不幸体質なんて関係なかったでしょ?」
善子「あ……」
梨子「良かったね、善子ちゃん」
善子「うん……。ありがと」
川崎駅西口北 PM 9:19 → 五反田駅 PM10:04 東急バス
梨子「ここは五反田行きのバス一択だったね。これで一気に都内に入れるなんて一日の最後に報われた気分」
善子「もう9時回ってるから、あとはどこまで行けるかね」
梨子「ルールだと10時以降はバスに乗ってちゃいけないのよね」
鞠莉「ここまで順調に来てるんだし、このまま渋谷にも今日中に着くんじゃない?」
梨子「さすがにそこまで上手くいくかな……」
>次は、中延駅前、中延駅前、でございます
鞠莉「あ、もう終点までもう少しみたいよ」
善子「でももう10時まであと6分なんだけど」
梨子「6分で終点まで着くかな……」
鞠莉「まあ行けるところまで行ってみましょ☆最悪その先は歩けばいいし」
梨子「もう夜も遅いしあんまり歩きたくはないけど……」
>次は、戸越三丁目、戸越三丁目、でございます
梨子「あと4分か……どう?あともう少し行けそうかな?」
鞠莉「余裕余裕♪」
>次は、戸越銀座、戸越銀座、でございます
善子「あと3分、さすがにキツいんじゃないの?」
梨子「そうね。もうここで降りた方が……」
鞠莉「でもあとバス停2つよ。行ける行ける♪」
>次は、大崎広小路、大崎広小路、でございます
梨子「10時まであと1分よ!」
鞠莉「これは流石に厳しいかもね。善子、ボタンお願い」
善子「分かったわ」ポチリ
>次、止まります
PM10:00 大崎広小路バス停
善子「あっ」
ドスン
梨子「だいじょうぶ善子ちゃん!?」
善子「ええ、これくらい慣れてるから……」
鞠莉「どれどれ?あ、膝擦りむいてるじゃない!バス降りる時の段差は注意しないとね」
梨子「どう、立てる?」
善子「それは平気。でも……」
善子「ねえ鞠莉、リリー。二人は私の不幸体質なんて関係ないって言ってくれたよね。私もそうなのかなって今日はちょっとだけ思えて、だから嬉しかったの。でもね、結局はこうなるのよ」
梨子「善子ちゃん……」
善子「終点のバス停だってあと一つだったのに着けなかったし」
梨子「それは……歩けば済むじゃない。バス停一つ分歩くくらい些細なことだよ。もし歩くのが辛いなら肩車してあげる」
善子「一つ一つは些細な事。でもね、それが小さい時からずっと繰り返されて来たらそうばかりも思えないでしょ?」
梨子「そう、かも知れないけど……」
善子「結局私は……」
鞠莉「それはどうかしら?ここで降りたの、案外悪くなかったんじゃない?ほら」
善子「渋谷に行くバス、ここから出てるんだ……」
梨子「なんだ、むしろ運が良かったじゃない!」
鞠莉「まあどっちにしろホテルは五反田駅まで出ないと見つからなそうだからどっちにしろ歩くことになるけど☆」
善子「上げて落とすのやめなさいよ!」
PM11:00 五反田駅前のホテル
梨子「はぁ~、やっと休めるね」
善子「一日中バスに乗るってこんなに疲れるのね……」
鞠莉「明日もまたバス三昧だけど」
善子「うっ……頭が……」
梨子「とにかく今日はもう早く寝ちゃおう?」
鞠莉「ええ、枕投げしないの!?」
善子「なんでそんなに元気なのよ!?」
鞠莉「冗談。さすがのマリーでもそんな元気ないって☆」
梨子/善子「「ほっ」」
鞠莉「それじゃ電気消すわよ」
梨子「おやすみなさい」
善子「良き朦朧の刻を」
鞠莉「Good night!」
五反田駅 AM 6:42 → 渋谷駅東口 AM 7:12 東急バス
梨子「二人とも早く起きてー!ここからまだまだ長いんだから!」
鞠莉「ええ……まだ6時じゃない……」
善子「あと5分……」ムニャムニャ
梨子「もう!ゆっくりしてる時間は無いの!まったく……あ、そうだっ」
梨子「早く起きたら渋谷でウィンドウショッピングの時間が出来るかも!」
鞠莉「!?」シュババッ
鞠莉「私はもう出かける準備万端よ☆」
梨子「準備はやっ!?」
鞠莉「ほら、ヨハネもささっさと起きなさい!渋谷に着いたらとびっきりの宝具を選んであげる♪」
善子「!?」シュババババッ
善子「出かける準備は出来ているわ」キリッ
梨子「だから準備はやすぎっ!」
梨子(どんだけウィンドウショッピングにつられてるのよ……この時間じゃお店開いてるワケないのに)クスッ
Written by tamantrain.
Part5に続く