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リレーss置き場

共同ssをかくブログです。

Aqoursのローカル路線バス乗り継ぎの旅 CYaRon!編 Part4

Aqoursのローカル路線バス乗り継ぎの旅 CYaRon!編 Part4(Part3の続きです)

ルビィ「バスが来るまで待つしか無いんじゃないでしょうか」

曜「だけど、このままじゃいつ動けるようになるのか分からないよ」

千歌「このまま手をこまねいていたらどうなるんだろう……」

ルビィ「ですが……」

千歌「こういうとき、穂乃果さんならどうするかな?」

ルビィ「そうですね……ゼロからスクールアイドルを始めて廃校の危機から音の木坂を救った高坂穂乃果さんならきっと……」

曜「何でもいいから動こうとすると思う」

千歌「……そうだよね。立ち止まってたって仕方ないよ!」

ルビィ「千歌さんがそういうなら……ルビィは千歌さんについていきます」

曜「私も。千歌ちゃんの後悔しないようにして欲しいな」

千歌「ルビィちゃん、曜ちゃん……ありがとう!それじゃあシャロン、しゅっぱーつ!」

武蔵小金井駅北口(PM 1:21) → 東小金井駅(PM 1:38)[武02] 京王バス中央
ルビィ「とりあえず乗ってみたんですけど、このバスはどこに行くんですか?」

千歌「さあ……?」

曜「東小金井行きだって。さっきいたのが武蔵小金井だから、その東側なのかな?」

ルビィ「それだったら、東回りで迂回しながら北に向かうって感じになりそうですね」

曜「うん。言っても東京だからとりあえず駅に行けば何かしらバスが出てるだろうし。でもやっぱり遠回りになるかなぁ……」

千歌「大丈夫だよ。うさぎと亀ってお話もあるくらいだし」

曜「さきにゴールの近くまで着いたからって油断してたうさぎが最後亀に負ける話だっけ?」

千歌「ちがうちがう。亀より後から出発したうさぎはいくら頑張っても亀に追いつけないって話。先に行動した方が勝ちなんだよ!」

ルビィ「それはうさぎと亀じゃなくてアキレスと亀だと思います。ゼノンのパラドックス、昔お姉ちゃんが教えてくれました」

>次は梶野橋、梶野橋、でございます

♪ピンポーン

>次、止まります

運転士「梶野橋でございまーす」

老婆「よっこらしょっと……うう、痛たた」

千歌「どうしたんですか?」

老婆「それが荷物が重たくて持ち上がらなくてね。ちょっと買いすぎたかしら……」

千歌「お持ちしましょうか?」

老婆「悪いわねぇ」

曜「私も手伝います」

ルビィ「じゃあ、ルビィはこっちの手押し車を持ちますね!」
PM 1:40梶野橋バス停 周辺の路上
千歌「家はこの近くですか?」

老婆「そうだねぇ。だけど本当に良いのかい?家まで荷物を持ってもらっちゃって」

千歌「そんなのぜんぜん構いませんよ」

老婆「それにしても年を取ると良くないねぇ。ちょっと買い物しすぎただけでこれだよ」

曜「あはは、誰にだって失敗はありますよ」

老婆「いやはや、久しぶりに孫が顔を出してくれるっていうからついつい嬉しくなっちゃってねぇ」

ルビィ「買ったのはお孫さんへのプレゼントですか?」

老婆「そういうこっちゃね」

ルビィ「へぇ、素敵です!」

千歌「お孫さんはおいくつなんですか?」

老婆「今年で小学校2年生になるよ。これが可愛くてねぇ」

曜「へぇ、会ってみたいなぁ」

老婆「家に寄ってもらえれば会えるよ」
PM 1:50老婆の家
老婆「ありがとうねぇ」

千歌「いえいえ、こちらこそいろいろお話しできて楽しかったです!」

老婆「上がっていきなさい。大したものは出せないけどお礼をしたいからねぇ」

曜「お気持ちは嬉しいんですけど、実は私たち行かなきゃいけないところがあるので」

老婆「そうだったかい。そりゃ余計に申し訳ないねぇ」

千歌「それはぜんぜん気にしなくていいですから」

老婆「せめて孫の顔だけでも見て行ったらどうだい?」

曜「はい、ぜひ!」

 …………
 ……
 …

老婆の孫「お姉ちゃんたち、だあれ?」

老婆「わしが困ってるのを助けてくれた娘たちだよ。お前もこの娘たちみたいに心優しい人に育っておくれ」

老婆の孫「うん、わかった!」

曜「可愛い……乗り物が好きなの?バスのおもちゃ持ってるみたいだけど」

老婆の孫「これのこと?」

曜「そう、ずっと手に持ってるなんて、すごく大事なものなんだね」

老婆の孫「うん、ぼくバスすきだから」

千歌「へぇ、すごい!」

曜「ちょうど良かった。私たちこれから北の方に行かなくちゃいけないんだけど、良いバスあるかな?」

老婆の孫「それなら、あっちの方に柳橋ってバス停があるからそっからひばりヶ丘行きのバスに乗るのがいいよ」

曜「へぇ、良く知ってるね、すごい!」

老婆の孫「あと、よかったらこれあげる」

曜「なあに?」

老婆の孫「ぼくの夏休みの自由研究だよ」

曜「ホント!?でもそんな大切なものもらっていいの?」

老婆の孫「ほんものはとっくに学校にだしてかえってきたからだいじょうぶ」

曜「じゃあこれはコピーってことか。それなら問題ないね」

老婆の孫「うん、ないよ」

曜「そっか、ありがと!」
柳橋(PM 1:58) → ひばりヶ丘駅(PM 2:20)[境03] 西武バス
曜「いやー、人助けして良かったよ。こんな便利なものもらえるなんて!」

千歌「誰かを助けるとちゃんと返ってくるんだね!」

ルビィ「何をもらったんですか?」

曜「『えいぎょう所べつの西武バス路線図と車両』路線図が描いてあって、あと乗車記?すっごくよくまとまってるよ」

ルビィ「すごい……路線図みれば大体何本くらい走ってるかも分かるようになってるんですね」

千歌「どれどれ見せてー?あ、すごーい、これをあの子が作ったの!?千歌が小学校の時とは大違いだよ」

曜「自由研究嫌いだったもんね、千歌ちゃん」

ルビィ「確かに大変でしたよね。絵日記の課題も大変でした」

曜「あれイヤだったなー。読書感想文なんかも意味わかんなかったし」

千歌「読書感想文で思い出した。ひどいんだよ!マンガの感想書いたら怒られて廊下に立たされたんだから」

ルビィ「そりゃあ怒られますよ……」

曜「それで、これからどうしようか?」

千歌「この路線図は目いっぱい活用したいよね」

曜「そうすると……この路線図に描いてある範囲で行けるところまで行くのが良いかな」

ルビィ「森林公園はだいぶ左上の方にあるので、向かうとしたらそっちですね」

千歌「この路線図だと一番左上にあるのが川越だよ?」

曜「よし、じゃあまず川越に行こうか」
PM 4:45航空公園周辺 路上
曜(もらった自由研究のお陰で、その後の旅は驚くほど順調に進んだ)

曜(武蔵小金井でバスが来なかった時はどうなることかと思ったけど)

曜(人助けのご利益って本当にあるんだね)

曜(ちなみに、ここまではこんな感じに進んだできた)

ひばりヶ丘駅北口 (PM 2:40発)
[ひばり77] 西武バス
志木駅南口 (PM 3:13着 / PM 3:20発)
[所52] 西武バス
所沢駅東口 (PM 4:07着 / PM 4:14発)
[所57] 西武バス
航空公園(に行くつもりだった)

曜(多少バスが遅れたところなんかはあったけど大きなトラブルは一回もなくて……)

曜(だからこそここへきてこんなことになるなんて思いもしなかった)

曜(事の発端は今から約20分前にさかのぼる)
~ 回想 ~
>次は文化センターミューズでございます

千歌・ルビィ「「ミューズ!?」」

曜「すごい敏感な反応!」

千歌「ミューズだって!なんだろう!?」

ルビィ「もももしかしたらあのμ'sゆかりの場所かも知れません!」

曜「ちょっ、二人とも落ち着いて!?」

千歌「落ち着いてなんかいられないよっ。あっ、次降りまーす!」

♪ピンポーン
>次、止まります

曜「ちょっと千歌ちゃん!?まあいいか……ここら辺からなら航空公園の駅も遠くないだろうし。どうせそこから新所沢まで歩くつもりだったし」

ルビィ「音の木坂学院にはμ'sは何も残してはいませんでした。でももしかしてここになら何かあるかも知れません!」

千歌「そうだよね!やっと見つけたよ!ミューズの足跡!」

曜「そうかなぁ……」
PM 4:28所沢市民文化センターミューズ
ルビィ「ここが……μ'sゆかりの地……」キラキラ

千歌「とりあえず中に入ってみようよ!」トキメキ

曜(所沢市民文化センターミューズ。建物自体はとても大きく、入り口付近が円筒形の形をしていて近代的な作りの建物になっていた。今日はオーケストラの演奏会が行われているらしい。ぜったいμ's関係ないでしょこれ)

千歌「おお、広い!……でも、なんか普通だね」

ルビィ「μ'sがここでライプをやったという話は聞いたことがありません。でも、きっとここでライブが行われたんです。だからこの場所にこういう名前がついているんです」

千歌「そ、そうだよね。とりあえず受付の人に聞いてみよう!」

 …………
 ……
 …

千歌「か、関係ない!?」ガーン

ルビィ「そ、そんなぁ……」ズーン

曜「ですよねー」

千歌「もう、やっとミューズの過去にたどり着いたと思ったのに……」

ルビィ「やっぱりμ'sの痕跡はそんな簡単には見つからないんですね……きっと、μ'sは探されることを望んでいないんです」

曜「ああもう、二人とも元気出しなよ。まだまだ先は長いんだから」

千歌「そういえば、千歌たちは旅の途中だったんだよね……?」

ルビィ「そうでした。μ'sを見つける旅はまだ終わっていません!」

曜「違うから!旅の目的まで忘れちゃったの!?」
~ 回想終了 ~

曜(ダウナー全開の二人を何とか説得して外に連れ出したのはいいんだけど……)

曜「道に迷った」

千歌「え?」

ルビィ「そ、そんなぁ……どうしましょう?」

曜「ごめん、地図持ってるの私なのに」

ルビィ「と……とりあえずここまでどうやって来たか思い出してみましょう」

千歌「まず建物を出て目の前の道をまっすぐに進んだんだよね」

曜「そこからずーと行くと航空公園の駅のぶつかるはずなんだけど……いつまで経ってもぶつからないからとりあえず右に曲がったんだ」

ルビィ「本当は航空公園の駅にぶつかるところで右に曲がるつもりだったんですよね」

曜「あとはそこをずーっとまっすぐ来たんだけど」

ルビィ「距離的にはもう着いてもおかしくないですよね」

曜「とりあえず今どこにいるのかの確認が先だね。何か目印になるようなもの無いかな……」

ルビィ「向こうに看護学校が見えますね」

千歌「あとあと、さっき川を渡ったよ」

曜「川……?ああこれか!それでいてこっちに所沢看護専門学校……あちゃー」

ルビィ「ど……どうしましたか……?」

曜「完全に逆に来ちゃったね」

千歌「そ、それじゃあとにかく戻らないと!」

曜「待って。ここからなら一旦ここの交差点まで戻って左、それで線路の手前で右ってルートの方が良いかも」

ルビィ「それで航空公園の駅の前を通ってそのまままっすぐ、ってことですね」

曜「急いだ方が良いかも。バスの時間分かんないけど、次のバス時間に1、2本しかないみたいだから」

千歌「走ろう!」ダッ

曜「あ、千歌ちゃん待って!」

ルビィ「わー、置いてかないでください!」

 …………
 ……
 …

千歌「な……なんか私たちらしいね」タッタッタッ

曜「うん……こうやってがむしゃらになって突っ走って、つまづいてもこうして立ち上がる。それが私たちだよ!」タッタッタッ

ルビィ「昨日は踊って……今日は走って……ふふっ、一日一回は必ず運動してますね私たち」タッタッタッ

曜「それが青春ってやつなんじゃないかな!」タッタッタッ

ルビィ「そうですね……青春です!」タッタッタッ

千歌「あー、風が気持ちいい!」タッタッタッ

曜「夕日がきれい!」タッタッタッ

ルビィ「きっと明日も晴れです!」タッタッタッ

 …………
 ……
 …

曜「もうすぐ新所沢だよ。大丈夫?息切れてない?」タッタッタッ

千歌「千歌はまだまだいけるよ」タッタッタッ

ルビィ「ルビィもです!最初は体力無かったけど……スクールアイドルになって……毎日走るようになりましたから」タッタッタッ

曜「鍛えた成果だね!ここ左に曲がるよ」タッタッタッ

千歌「あっ!」タッタッタッ

曜「どうしたの千歌ちゃん?」タッタッタッ

千歌「向こうの角から曲がってくるバス……」タッタッタッ

ルビィ「か……川越行き……次乗ろうとしてたバスです!」タッタッタッ

曜「なっ……ちょうど駅を出たところだったか……それならっ、みんな右曲がって!あのバスが来る前に次のバス停まで走るよ!」タッタッタッ

千歌「らじゃー!」タッタッタッ

ルビィ「がんばルビィ!」タッタッタッ
所沢市民体育館(PM 4:57) → 川越駅西口(PM 5:27)[新所02] 西武バス
曜「余裕のヨーソロー!」

ルビィ「バスが手前の交差点で止まってくれたので何とか先回りできました!」

千歌「いやー、ホントに幸運続きだね!やっぱり日頃の行いが良いからかな?」

曜「今日ばかりは本当にそうかもね。あのおばあさんを真っ先に助けようとしたの千歌ちゃんだったもん」

ルビィ「最終目的地まではあとどれくらいですか?」

曜「うーん……川越から森林公園は直線距離で15キロくらいかな。あと少しだよ」

千歌「いよいよここまで来たんだね!」

ルビィ「私たち、ここまでいままでどれくらい移動したんでしょう?」

曜「分かんない。直線距離でも100キロ以上だよ」

ルビィ「100キロ……そんなに移動したんだね」

千歌「すごい……すごいよ私たち!」

曜「こんなこと生まれて初めてだもんね」

ルビィ「今後も一生ないかも」

曜「ない、というか……二度はやりたくないかな……」

千歌「でも楽しかったよ」

曜「うん、今までよりももっとCYaRonの絆が深まった気がする」

ルビィ「はい!」

>次は、川越駅西口、川越駅西口、でございます
Written by tamantrain.
Part5に続く
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